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漢方薬と副作用

漢方薬には副作用はない。といわれます。しかしこれは考え方による違いが大きいのではないかと思います。

というのは西洋医学の薬の場合、たとえば解熱剤であった場合、熱を下げる為の薬です。ですので熱を下げる以外の作用が身体に起こるのであればそれは副作用であると考えられます。その中でも特に、悪影響と考えられるものを一般的に「副作用」と呼んでいることになります。これは身体に悪い...という作用だけでなく、例えば眠くなるなどの生活する上でなんらかの害となる可能性があるものも含まれています。

では、漢方薬はどうなのかというと、漢方薬は痛みを止めるとか熱を下げるとかピンポイントで焦点をあてた処方をしません。基本的な漢方医学の考え方の通り、患者の心身の「証」のバランスを整えるための処方をします。おおざっぱな言い方になりますが、患者が「陰」「陽」で「陰」に傾いていれば、それを「陽」の側に持っていくための処方です。(もちろん実際にはもっと色々な証から複合的に処方するわけですが)

ですので、漢方薬はこの症状を治すというよりも心身のバランスを整えることを目的としているため、この作用だけのために使う...というわけではないので、どれが副作用というわけではないと考えられているのだと思います。
(それでももちろん、その中でも特に悪影響と思われるものを副作用と呼ぶ人ももちろんいらっしゃいます)

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